不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのことです。
海外では、Prop Tech、ReTech、Real Estate Techと呼ばれています。
過去の単なる「デジタル化」のように、業務プロセスや作業を効率化するためだけにデジタルツールを活用するのではなく、新しいビジネスモデルを構築したり事業を変革させるために「デジタル化」を活用することが特徴で、不動産に関連する事業やサービスに対して、さまざまな先端テクノロジ一を活用して新たな付加価値を生み出すことがチャレンジされています。

不動産業界においては、売買、賃貸、管理、開発、金融等、非常に幅広いサービスが展開されています。
不動産テックにおいても同様に、非常に幅広いジャンルのサービスが展開されており、一般社団法人不動産テック協会においては、業界マップ（不動産テックカオスマップ）の作成に際して次のようなカテゴリーを設けています。

仲介業務支援

不動産売買・賃貸の仲介業務の支援サービス、ツール

管理業務支援

不動産管理会社等の主にPM業務の効率化のための支援サービス、ツール

物件情報・メディア

物件情報を集約して掲載するサービスやプラットフォーム、もしくは不動産に関連するメディア全般

マッチング

物件所有者と利用者、労働力と業務などをマッチングさせるサービス
（シェアリング、リフォームリノベーション関連は除くマッチング）

不動産情報

物件情報を除く、不動産に関連するデータを提供・分析するサービス

価格可視化・査定

様々なデータ等を用いて、不動産価格、賃料の査定、その将来見通しなどを行うサービス、ツール

クラウドファンディング

個人を中心とした複数投資者から、webプラットホームで資金を集め、不動産へ投融資を行う、
もしくは不動産事業を目的とした資金需要者と提供者をマッチングさせるサービス

ローン・保証

不動産取得に関するローン、保証サービスを提供、仲介、比較をしているサービス

スペースシェアリング

短期～中長期で不動産や空きスペースをシェアするサービス、もしくはそのマッチングを行うサービス

リフォーム・リノベーション

リフォーム・リノベーションの企画設計施工、Webプラットホーム上でリフォーム業者の
マッチングを提供するサービス

AR・VR

VR・ARの機器を活用したサービス、VR・AR化するためのデータ加工に関連したサービス

IoT

ネットワークに接続される何らかのデバイスで、不動産に設置、内蔵されるもの。
また、その機器から得られたデータ等を分析するサービス

これからの不動産業界は、先端テクノロジ一を活用することで、不動産に関連する事業や市場を変え、そして、不動産に関わる人々の意識そのものを変革するデジタル・トランスフォーメーションを実現する力量が問われる時代になります。
そして、不動産事業者の意識だけでなく、不動産を活用する人々全体の意識が確実に変わりつつあります。
テレワークや自動運転、ドローン等の不動産テック周辺のテクノロジーとも関連しながら、不動産の価値やサービスの価値が見直される時代であり、不動産テックを基軸に、人々の生活や意識もアップデートされる時代が到来しています。